高齢者が冬にかかりやすい感染症として挙げられるのが、インフルエンザです。夏場にインフルエンザにかかる事例も僅かながらありますが、基本的にインフルエンザは冬に流行するため、寒い季節は特に注意しないといけません。
インフルエンザの主な感染経路は飛沫感染と接触感染の2つで、飛沫感染とは感染した人の咳やくしゃみにより飛び散った飛沫を吸い込み感染することです。感染した人が、咳やくしゃみをしないということはまずないので、体調が悪いと感じたらすぐにマスクをして、人にうつさないように心がけなければいけません。接触感染とは、感染した人が触れたドアノブや調理した料理などを通して間接的に接触した結果、感染することです。ドアノブや各種スイッチなど、身近なものを通してインフルエンザは大きく広がっていきます。免疫力が落ちている高齢者の方はインフルエンザにかかりやすいので、家族や介護職員など、介護を行う人は特に気をつけないといけません。
ノロウイルスも冬に流行しやすい感染症で、介護施設でノロウイルスが流行した例も実際に存在します。ノロウイルスの場合も代表的な感染経路は飛沫感染と接触感染の2つで、感染した人の吐瀉物などの飛沫から飛沫感染が起こったり、吐瀉物を処理する際に接触感染が起こったりするのが厄介なところです。消毒薬の使用を怠った結果、介護施設で感染が広がった例もあるので、介護施設は吐瀉物などを処理する際に油断してはいけません。